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こんばんは!玉嶋です。
早速ですが、今週末の『マイルチャンピオンシップ』予想のポイント、番付について、玉嶋の見解をお届けします。
●『パトロールビデオ』取扱説明書
【質問】JRA-VANでは、パトロールビデオを今までよりも手軽に見れるようになりました。予想屋マスター、玉嶋さんは、パトロールビデオを予想にどう使っていますか?
私もJRA-VANのスマホアプリを使っていますが、あれ凄いですね。今までよりボタンが増えて、「パトロール」「マルチカメラ」の映像が簡単に見れるようになりました。今週は、マスターからお願いします。
パトロールビデオですか?見てないよ笑。見る時間ないもん。まあ、時間が余っても見ないけどね。
予想通りの回答ありがとうございます笑。質問をいただいたのと、Twitterで結構盛り上がっていたので、今回のトピックにしようと思いました。実は、私も見ていません。
これって、ポイントが3つあると思います。
①パトロールビデオを見なくても、回収率100%は超えられる。やるべき基本は、しっかりできているか?
③パトロールビデオを見れば得られる情報はあるが、極めて限定的。普通のレース映像を見れば、ほとんどのケースで用が足りる。
③パトロールビデオで前走不利を受けた馬は判っても、不利がなければどこまで好走できていたかは結局判らない。不利を受けなかったら勝っていたか?なんて、所詮は想像の域でしかない。
こんな感じでどうですか?
私が考えていたことと、ほぼ同じです。それでは、順番にいきましょう。
①『PV』見る前に、基本は?
質問してくれた方とTwitterのDMでやり取りをしました。「何故、パトロールビデオを見たいの?」と。よくよく聞いてみると、回収率100%に届いていないとのことでした。
「パトロールビデオを見る前に、もっとやるべきことがある。それができていないのに、パトロールビデオに手を付けない方が良い」と彼に単刀直入に伝えました。高い精度で能力比較できないのに、そこにパトロールビデオを一生懸命見て「前走不利」を入れてしまうと、色々なファクターに振り回された挙げ句、「何がしたいの?」という予想ができ上がってしまいますので。(③に繋がります)
これね。前にも玉嶋さんと対談で話した内容だけど、普通のレース映像見て分析するだけでも大変なのに、「パドック」「追い切り」と同様に「パトロールビデオ」を見る暇はないよね?ってことだよね?
仰る通りです。普通のレース映像を見て、馬個別の能力比較をして『番付』を作れば、それで十分です(それをやるだけでも大変で、時間が掛かる)。
私の立場から言えることは、パトロールビデオを見なくても回収率100%を超えられるだけの分析ができるのなら、見る必要性がないということです。超えられないのなら、厳しい言い方をするとやり方が中途半端だからであって、パトロールビデオを見ても結局は同じ。下手をすると、能力分析ができていない状態でパトロールビデオの映像に振り回されて、収支は上向くどころか、逆に悪化することさえあると思います。
例えば、自動車学校の教習所内で車を乗りこなせない人が「公道で運転したい」って言っていたら「ちょっと待って」となるはずです。地に足を付けて、基本を徹底的に習得する方が先です。
また、競馬は試験勉強と似ている側面があって、やるべきことは頻出問題を徹底的に潰していって、難問、奇問にはあまり手を付けないこと(捨てる)が大事です。要領良くこなさないと、時間なんていくらあっても間に合いません。
②『PV』から得られる情報は限定的
パトロールビデオから得られる情報って、普通のレース映像でほとんど掴めるから、パトロールビデオは必要ないよ。
私も同感です。普通のレース映像見れば、「あ、不利受けた」というのはほとんどのケースで分かります。例えば、ディープ記念のドウデュースは、手応えが良かったのに3,4コーナーで後退したのを見れば、何かあったのだろうというのは掴めます。その程度掴んでおけば、十分です。逆の言い方をすれば、通常のレース映像で分からない程度の不利なら、それは無視で十分です。そんな細かいところまで、見る必要はないと考えます。
パトロールビデオを見て、普通のレース映像で分からないことが分かることがあるのは否定しないよ。でもね、次の③が最も大事。「前走不利」よりも、もっと大事なことがある。
③『PV』前走不利&最大出力
では、最も大事な③。「不利を受けた」のは分かるんだけど、「じゃあ、その不利を受けなければどこまでも好走できたの?」というハナシ。これって想像でしかないから、結局のところ誰にも分からないんだよね。
本当に仰る通りで、パトロールビデオを見れば、不利を受けている馬は通常のレース映像より分かるかも知れませんが、100ある能力を90出せたのか?60しか出せなかったのか?って、結局主観でしかないんですよね。「詰まってなければ勝っていた」みたいな。
ここから各論に入ります。
不利を受けた馬よりも、それぞれ馬が最高のパフォーマンス(最大出力)を出しきったレースはどのレースか?また、どういう時に好走しているか?こっちを整理しておくこと方が、はるかに大事ってことですよね?
そうです。逆の言い方をすると、最大出力を出しているレースで、上位に入線した馬の分析をするのに、パトロールビデオは要らないでしょう?というハナシでしかない。今日のトピックで一番大事なのは、そこだね。だから、冒頭に戻りますが、パトロールビデオは見る必要がないんです。それをやる時間があるなら、最大出力とか好走パターンをもっともっと覚えられるはず。そっちをやった方が、はるかに儲かりますよ。
こういうトピックの対談をすると、「予想屋マスターと玉嶋がイキってる」みたいに言われることがあるんですけど、そういうことではなくて。。。
例えば、大した成果が上がらない「余計な仕事」をやるために、上司から休日出勤を命じられたら、ほとんどの人は嫌じゃないですか?逆に「そこまでやらなくても満足な成果は出せるから、休日出勤はやめよう」って言われたら喜びませんか?というハナシ。それと同じ発想です。
成果を上げるために、やるべきことは徹底的にやるべきですが、そうじゃなければやらない。私のスタンスは、シンプルにそれだけです。
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●『マイルCS』好走条件
●ソダシ
内前有利のトラックバイアスなら断然有利。桜花賞のように前目から惰性で押し切る競馬なら、1着の有力候補。逆に、外差しトラックバイアスなら、差されるリスクが高い。枠はどこでもこなせる。苦しくなってから、粘り込む競馬は苦手。負ける時はアッサリ負ける。
●シュネルマイスター
国内マイルG1で全て馬券圏内。展開、馬場不問で、基本的にはどんな状況でも差してくるため、条件不問。枠は外めがベター。
●サリオス
コーナーや直線入口でモタてしまうことがあるので、スローの前残りや内枠を引いてしまった場合に末脚不発になる可能性がある。外差しの展開で上手く外へ持ち出して能力全開ならば、好走の可能性が高くなる。枠は外めがベター。
●ダノンスコーピオン
予想屋マスターQ&A(YouTube)でご質問をいただき、予想屋マスターが回答したように、「危うさ」がない。馬なりで先行して、仕掛ければ数完歩でトップスピードに乗れる素軽さがある。枠はどこでもこなせる。
●セリフォス
安田記念から、後方で脚を溜める競馬にシフトし、大分板についてきた。藤岡佑介騎手から外国人騎手へのスイッチはプラス材料。器用なタイプではないので、内枠にいくほど凡走リスクが高まる。枠は外めがベター。ダノンスコーピオンとは互角。
参照:【教えてマスターQ&A・マイルCS2022】
Q6:3歳馬の比較(12:57 ~)
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●『マイルCS』番付
横綱
(該当馬なし)
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大関
サリオス
シュネルマイスター(古馬 基準馬)
セリフォス
ソダシ
ダノンスコーピオン(3歳馬 基準馬)
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関脇
ウインカーネリアン
ジャスティンカフェ
ソウルラッシュ
ダノンザキッド
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小結
エアロロノア
ホウオウアマゾン
マテンロウオリオン
ロータスランド
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前頭以下
その他
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秘密兵器
(該当馬なし)
※番付の意味
1ランク差
→枠順、トラックバイアス、展開次第では逆転可能。
2ランク差
→枠順、トラックバイアス、展開に恵まれても逆転困難。
秘密兵器
→過去のレースから、番付上位と互角に渡り合える可能性を秘めた馬。
※番付は、過去のレースにおける最大出力を評価する指標であり、この序列の通り決着することを示すものではありません。
●『番付』 馬券組立のポイント
マイルチャンピオンシップは、『大関』『関脇』の差がそれほど大きくないため、意外と混戦です。一方で、『大関』には先行~差し脚質が満遍なくいるため、総崩れは考えにくい状況となっています。
馬券を組む上で特に注意したいのがヒモ荒れ。マトリックス「H-H型」と思って安易に上位人気を中心に連系の馬券を組んでヒモ抜けは普通にありそうなメンバー構成です。よくあるのが、「ちょっとでも儲けたい」と点数を絞ってのヒモ抜け。
私が『H-H型』と判断した場合に、徹底的にこだわるのが「的中率」です。利益額をどんなに圧縮してでも、的中を獲りにいくスタンス。「複勝チャレンジ」は最たる例で、『H-H型』で失敗は許されないと思って馬券を仕込んでいます。ヒモ抜けなんて、論外です(そう思っていても、外れる時は外れますが。。。)。来年発売予定の新刊でも紹介しますが、『H-H型』を想定して馬券を仕込んだレースでは、ほとんど的中しています(不的中は、今年2,3回程度)。
エリザベス女王杯の予想ポイント・番付~玉嶋亮の競馬予想コラムVo.22
●マイルCS 3歳馬VS古馬 構図
古馬はサリオス、シュネルマイスター、ソダシ。3歳馬はセリフォス、ダノンスコーピオンと、マイラーの一線級が揃いました。今回の構図について、私なりの見解を配信します。
セリフォスは、安田記念で古馬初挑戦で4着は立派ですが、直線で不利のあったシュネルマイスターに先着を許しており、サリオスにも敗れています。また、富士ステークスでは、ダノンスコーピオン、セリフォスともにシュネルマイスター、サリオスにやや見劣りするソウルラッシュと僅差(斤量で多少の差があったのもあるが)。
以上を総合的に考えると、やや古馬有利で、3歳馬を迎え撃つ構図と考えるのが妥当です。
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玉嶋亮
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予想屋マスター事務局
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2022年 上半期 成績
年間予算の52%消化(32R)
的中率53%(17/32)
複勝チャレンジ除く 40%(10/25)
主力券種:馬単、三連単
回収率&主な的中: Twitterプロフィール欄
複勝チャレンジ:7戦7勝
予想屋マスター事務局スタッフ片山・麻生が担当しております。 ご意見、ご要望などいただけたら嬉しいです。