※こちらは玉嶋亮連載メルマガのバックナンバーです。メルマガ登録をすると最新の記事がメールで届きます。
こんばんは!玉嶋です。
早速ですが、今週末の『香港国際競走』について、玉嶋の見解をお届けします。
●特別コラム 時間の創出『あか氏』
先週は、時間を創出する趣旨のコラムを配信しました。タイムリーに、ポケモンに勤しむあか氏が、とんでもないことをしていました。
連射機(コントローラー)を使い、ポケモンを半自動運転し、浮いた時間を競馬予想へ。私はそういう趣旨で「時間の創出」コラムを書いたつもりはありませんが。。。素晴らしい工夫だと思い、「コイツは伸びる」と確信しました(小声)。
●高回収馬券戦略『2歳戦』
【質問】「2歳戦は変わり身が大事」とよく言われますが、予想や馬券で気を付けていることはありますか?3歳戦や古馬のレースとの違いがあれば教えて下さい。
まず、私からですが、2歳戦のレースでほとんど予想しません。去年、サウジアラビアRCでステルナティーア(2着)の複勝を買って以来、ノータッチです。
2歳戦をあまり予想しないのは、何か理由ってありますか?
2歳戦の重賞やG1をやろうと思ったら、それこそ2歳馬の新馬、未勝利全部のレースを見て、番付を作っておかないといけないじゃないですか?レース数が多すぎて、途方もないと言うか、そこまでやってられないと言うか。。。
それをやろうとしたら、マスターと同じプロの領域に足を踏み入れてしまいます。芝の重賞がない日はあっても、2歳未勝利戦はどこの競馬場でも毎日2Rほど組まれていますから。それらを全部分析するなんて、とてもじゃないけど無理ですよ。3歳以上のオープンクラスの馬は300頭くらい常時頭の中で整理できていますが、2歳馬まで手を拡げれば、パンクします。
例えば、阪神JFの予想をしようと思えば、その前の重賞見て、未勝利や新馬も見ていかないと、「どれくらい強いか?」が見えてこないってことだよね?
そうなんです。重賞から未勝利、新馬に遡っていって比較していくと、ネズミ算(等比級数)式に、見なければいけないレースが増えていきます。重賞に16頭出ていれば、それらの馬が過去にどういう相手と戦ってどうだったか?を全て把握しておく必要があります。例えば、新馬で後続を突き放して圧勝した馬がビジュアル的に強そうだと思っても、新馬で対戦した相手がその後全然勝ち上がれないメンバーなら、単純に相手が弱すぎたから圧勝しただけ、というハナシにしかなりませんし。
そうですね。あと、競馬の王道は中距離2000m前後(2歳戦の場合、まだまだ成長過程であるため、若干距離が短め。1600~2000m)が最もハイレベルと言っていますが、古馬と比較して2歳戦や3歳春くらいまでは、特に顕著です。夏場のローカル1200mでデビューしているような馬は、ワンランクからツーランク劣ります。これは気を付けておかないと、予想を間違えちゃいますね。例えば、1200mで圧勝していても、距離を伸ばしていって、朝日杯や阪神JFでまったく通用しないのはザラにあるからね。「そんなの当たり前だろ!」ってツッコミが入りそうですけど、「じゃあ、全部のレースで全頭診て、序列をつけてみれば?」というハナシで笑。言うのは簡単、やりきるのは大変。僕の場合はプロとして競馬をやっているから、大変なのは当然なんだけど。
仰る通りです。あとは、2歳戦の場合は、開催場も同様だと思います。東京や阪神(外回り)は、高い期待を背負っている馬が非常に多いです。勝ち上がれば、出世街道(クラシック候補)に乗るパターンが多く、負けても徐々にレベルの低いレース(ローカルや短距離に転戦)に路線変更しているうちに、そのうち勝ち上がるパターンが定番です。サバイバルというか。淘汰されていくから、競馬の原点ですね。こういう話をすると、「ドウデュースは小倉デビュー」と指摘をしてくださる方がいらっしゃるのですが、それはそれ(例外)。総じてどうなの?というハナシで。
【結論】
2歳戦でも、基本的に予想でやることは古馬のレースと同じ「能力比較」「馬場読み。」但し、「距離」「開催場所」で格差がある場合があるので、意識の片隅に置いた上で、徹底的にレース映像で分析することが大事。
ーーー
●海外レース 期待値
まず、海外のレースで馬券を買う際に、考えておかなければならないことは、JRAで馬券を買う以上、日本馬は基本的に買えないところがスタート地点です。(応援票が集中投下されるため、妙味がない)
一方で、日本馬が強すぎるカテゴリーでは、妙味以前の問題で、日本馬が普通に勝つ可能性が高いため、控除率の突破は困難です。具体的には、高速決着しやすい香港、ドバイの中距離路線です。近年は、今や世界一ハイレベルな日本馬が無双していると言って良い状況です。以上を踏まえて、香港国際競走4レースの期待値を考えていきたいと思います。
●バックナンバー Vol.16
『レーティング』『オッズ』から、買い目をどう仕込むか?2021年◎トルカータータッソ単勝万馬券の事例
ーーー
●香港ヴァーズ 期待値★☆☆
日本からは、ウインマリリン、グローリーヴェイズが参戦。少頭数で、日本馬2頭がブックメーカー、JRAオッズとも上位想定。オッズ乖離は他の3レースと比較して、相対的に妙味は薄いか?敢えてこのレースで勝負する意義は、週中の想定オッズからは見出だせない。見送り濃厚。
●香港カップ 期待値★★☆
日本からはジオグリフ、ジャックドール、ダノンザキッド、パンサラッサ、レイパパレが参戦。芝2000m前後の中距離路線は、日本競馬の王道であり、最も強い馬同士が鎬を削り合うカテゴリーであり、層も厚い。しかも、香港はドバイや日本に近い高速馬場で施行される。定石通りに考えれば見送りが妥当だが、ロマンチックウォリアーはシャティン2000mで好走を連発しており、パンサラッサから離れた2,3番手で恵まれればチャンスはあるか?
シャティン2000mで初対戦であり、各馬の適性は未知。特定の馬に人気が集中して、妙味があれば参戦。
●香港マイル 期待値★★☆
日本からはサリオス、シュネルマイスター、ダノンスコーピオンが参戦。ゴールデンシックスティーは今年に入り2敗しており、衰えている可能性は否定できない。断然人気を背負うようなら、嫌うのも一考。そうは言っても、強いものは強い。参戦するなら、「外れてもいいや」くらいの割り切りが必要。カリフォルニアスパングルの想定オッズが10倍を超えており、妙味があるのはこの馬か?
●香港スプリント 期待値★★★
去年参戦し、単勝多点を仕掛けて単勝30倍クラスを的中させたレース。日本からはジャンダルム、ナランフレグ、メイケイエール、レシステンシアが参戦。
言うまでもなく、香港では最もハイレベルなカテゴリーである一方、日本では最も低レベルなカテゴリー。そこに妙味が生まれる可能性が高い。
また、香港スプリントは同じようなメンバー同士が再戦の連続で、能力が拮抗しているため、その度に着順が入れ替わる。レーティングで最大出力を確認した上で、オッズ乖離のある馬だけを機械的に狙うのがポイント。競馬に絶対はない。
ーーー
★新刊★『競馬の教科書』~発想を変えるだけで回収率は上がる~
メルマガ作成者:
玉嶋亮
メルマガ発行人:
予想屋マスター事務局
30代半ば/本業:士業/大学から本格的に競馬を始める。予想屋マスターを知り、理論的な競馬の分析に目覚める。リトル予想屋マスターを目指し、予想法を徹底的にコピーした。時間の制約があるため、芝オープンのみにフィールドを限定している。凱旋門賞の単勝万馬券、AJCCの288万円等の的中実績あり。「単勝多点」「変則フォーメーション」等多彩な馬券術に定評がある。「競馬の教科書」は個人出版ながら異例のベストセラー。「別冊」は予想屋マスターとの共著で再びベストセラー。日本一の競馬作家になるのが夢。Twitter(keiba_tamashima)