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札幌記念の展望~玉嶋亮の競馬予想コラムVo.10~

2022/08/30 更新

※こちらは玉嶋亮連載メルマガのバックナンバーです。メルマガ登録をすると最新の記事がメールで届きます。

こんばんは!玉嶋です。

早速ですが、今週末の『札幌記念』予想のポイント、馬券について、玉嶋と予想屋マスターが見解をお届けします。

『札幌記念』有力馬解説

①ソダシ

まず、先々週のメルマガで「能力分析」を配信したソダシについてですが、G1で3勝を挙げて、去年の札幌記念は決して恵まれた訳ではない中での快勝。この馬については、前々回の無料メルマガで配信した通り、現時点で本命級の高い評価で問題ないと思います。去年の同レースを勝っているというのもありますが、中心はこの馬です。

②ジャックドール

大阪杯ではかなりの人気を背負っていましたが、当時はちょっと懐疑的に評価していました。金鯱賞まで5連勝は、確かに並の馬にできる芸当ではないのですが、どのレースもマイペースに落とし込んでの勝利でした。マイペースに持ち込めること自体は高く評価すべきなんですが、G1で厳しい展開(早めに後ろから煽られる)になった時に耐えられるのかが過去のレースからは読み取れませんでした。分からない部分が多いのに、そのリスクに目を瞑って高い評価をするのは「どうなの?」と思いました。したがって、あの人気だと印を下げておくのが妥当だと思いました。当時の評価は「2,3着まで。勝たれたら仕方ない」でした。

逃げ馬が後ろの馬から煽られるのを受けて立つことを、私は「迎撃」と定義しています。「競馬の教科書」でも言及していますが、逃げ馬は総じてストレス耐性が低く、同型の逃げ馬がいて単騎でいけない場合や、後ろから早めに煽られる・被されるようなレース運びになるとパフォーマンスを大きく落とすことが多いです。

逃げ馬で「迎撃」して高いパフォーマンスを出すことができる馬は本当に稀です。例えば、キタサンブラックやダイワスカーレット(メンタルオバケ)。数年に一度しか出現しません。一方、ジャックドールの場合は、大阪杯のレース前までは迎撃する形がなかったので、その部分が分かりませんでしたが、結果より「迎撃してG1を勝てるほど強くはなかった」ことが分かりました。大事なことなので繰り返しますが、逃げ馬のほとんどは、迎撃する形になるとパフォーマンスを大きく下げます。

じゃあ、今回は?という話ですが、離れた2,3,4番手から自分のペースで仕掛けて、ソダシとともにパンサラッサを捕まえにいく形なら、巻き返し可能だと思います。「迎撃」は受けて立つ形ですからストレスが掛かりますが、自分からレースを動かしていく形なら、余計なストレスは掛かりません。

弱い馬なら、金鯱賞でレイパパレを相手に影を踏ませず完勝なんかできる訳ないですし、この馬は馬なりで先行できるレースセンスの良さがあります。

③パンサラッサ

宝塚記念では、そこそこ人気を背負いましたが、私の中ではタイトルホルダーとは大きな差がありました(タイトルホルダー≫パンサラッサ)。この馬はドバイターフで見事にG1初制覇しましたが、接戦の相手はロードノースにヴァンドギャルド。一線級の相手か?と言われると疑問符が付きます。

また、宝塚記念のレースですが、ちょっと気掛かりだったことがあります。スタート200のラップタイムは12.5だったのですが、パンサラッサの行きっぷりがいつもより悪く、軽く気合いを付けたタイトルホルダーが前に行きました。パンサラッサは、その気になれば、スタート200で12.0前後のラップを刻める馬なのですが、ゴリゴリ押して、スタート200を過ぎた地点でようやくタイトルホルダーから先頭のポジションを奪いました。そこからいつものように単騎で行きましたが、序盤で良くない脚の使い方をしたので、直線を向くなり早めに垂れて惨敗しました。あまり良くない負け方で、今回も宝塚記念と同様ロケットスタートできずに強引に行くと、惨敗してもおかしくないかな?とは思います。(そうは言っても、この馬は逃げ一手なので、逃げるしかないのですが。。。)

●『札幌記念』展望

基本的には、ソダシ、ジャックドール、パンサラッサ、グローリーヴェイズ、ユーバーレーベンの5強。序列的には、ソダシとジャックドールが一歩リードで、その下にパンサラッサとグローリーヴェイズ。ユーバーレーベンは、ちょっと掴みどころがありません(ムラがありすぎ)が、オークスを差し切って勝っていますから、能力の高さは疑う余地がありません。

パンサラッサが逃げる予想は、万人共通だと思いますが、私も同じです。福島記念、中山記念は、ビジュアル的には強かったのですが、最後は13秒台と垂れています。私は、相手に恵まれたという見方をしています。その後に迎えた宝塚記念ですが、早めにタイトルホルダーからプレッシャーを掛けられて、アッサリ垂れました。それがこの馬の現在地かな?と思います。

今回は、パンサラッサ以外の4強は、例外なく先行力かマクれる機動力(コーナリング能力)が具備されています。これらを凌ぎきって逃げ切るのは、かなりハードルが高いと思います。

●『高回収』馬券戦略

玉嶋亮

札幌記念の馬券についてですが、マスターはどう考えますか?

マスター

どうも何も、僕はいつもと同じです。プロですから、日本一当たる予想を貫いて、基準倍率以上の馬券だけをピックアップして買ってください、と言うだけです。配当の低い買い目は、多くの競馬ファンが群がっているということですから、自信の有無に関わらず、買っちゃいけないんです。

玉嶋亮

予想通りの回答ありがとうございます笑。私の見解ですが、基本的に札幌記念の馬券については及び腰です。

何故かと言うと、ダービーの時にも言及したのですが、上位何頭かが傑出して強くて、1着候補を絞りきれないレースって、馬券が物凄く難しいです。ダービーの私の予想は、4強の馬連ボックスでしたが、馬券は結局買いませんでした。6点で7.3倍的中の予想ですが、「買えば良かった」とはまったく思いませんでした。この馬券を買うのも間違いだし、奇をてらって穴をあけにいくのも間違い。例えば、アスクビクターモアを軸にした馬連流しを買ったとして、結果は3着でしたが、かなり恵まれての内容で、上位2頭とは絶望的な差がありました。馬連オッズもチェックしましたが、意外と売れていました。競馬だから絶対はないし、こういう「ちょっと足りない」みたいな馬が2着に残ることもありますが、期待値的にどうなの?と思いました。回りくどくなりましたが、ダービーは見送りが正解です。

マスター

これね。僕もいつも言っているけど、馬券は控除されて「負けている」ところがスタートラインだから、基本は馬券を買っちゃダメなんですよ。条件の良い時だけ買う。これが徹底できないと、一生勝てないよ。ずっと言い続けているんだけど、数字を示しても、なかなか実践できる人がいないのが現実です。

玉嶋亮

マスターもよく仰っていますが、どんなに予想が上手くなっても、馬券で工夫をしなければ、回収率100%そこそこが限界。私もそう思います。多くの方が100%を目標に頑張っていると思いますが、私から言わせると、予想が上手になれば、100%から先は、マスターが仰っているテクニック(馬券術)を駆使すれば、そんなに大変ではありません(※「簡単」という意味ではありません。予想の精度を上げるのに比べて、相対的に易しいという意味)。ただ、予想とは違う算数の世界だし、場合によっては当たりやすい買い目を消さなきゃいけないから、ストレスは半端じゃないですけど。

話題を変えます。いくらプロとは言え、有料で予想を売っているのにそういうことを毅然と言える人ってあまりいませんよね?予想を売る側としては、不都合と言うか。

マスター

「馬券買え、買え」って言うのは簡単よ?当たれば喜んでもらえるし。でも、目標はどこなの?っていうハナシで。せっかく僕の予想を使うんなら、利益を最大化してお客様に喜んで欲しいじゃないですか?100%をちょっと超えたくらいじゃ、時間を掛けている割にベネフィットが少なすぎるし、やっぱり130%くらいないと、充実感が得られないんじゃないですか?大体、人の予想に乗って100%そこそこしかいかないんだったら、僕なら株を勧めます笑。放っておけば良いし。

玉嶋亮

まったく同感です。これだけしんどい思いをして競馬に取り組んで、100%そこそこしかいけないんなら、競馬やる意義がなくなっちゃうかも笑。逆説的ですが、制約だらけで「楽しい競馬」と決別しているからこそ、文末で紹介している高回収を実現できているとも言えますが。。。制約を課さずに好きなだけ馬券買えば、あっという間に転落するのは、言うまでもありません。

●『北九州記念』 ワンポイント

小倉は相変わらずの超高速馬場であるため、第3回の無料メルマガで配信したCBC賞見解と同様に、斤量が軽く、先行力がある3歳勢(テイエムスパーダ、ナムラクレア、アネゴハダ)が圧倒的に有利です。古馬は、低調なメンバー構成。関屋記念では、1400mの重賞で連続連対したスカイグルーヴが4着に敗れたのが象徴的です。ウォーターナビレラが層の厚い古馬中距離戦線で高い壁に阻まれたのとは、対照的です。

●『ラップ』予想ファクター

玉嶋亮

先週、Twitterで挙がったラップについて、気になっている読者が多いと思うので、話題にしたいと思います。

N suzukiさんとマスターが議論しているのを見て、「やっぱプロってスゲーな」と思いました。競馬に掛けている時間がアマチュアとは違いますから、当然と言えば当然なのですが。

それから、金子さん。まさか、あんなやり方でマスターの上をいくとは思いませんでした。

マスター

あれは無理笑! 強すぎるよ。

では、早速本題へ。

●予想屋マスターのツイート●

僕は独自の個別ラップ簡易版を昔(20年以上前)から使っています。最初の1ハロン、最初の3ハロン、残り3ハロン前まで(全体時計から上がり3ハロンを引いたもの1800mのレースなら1200mまで)のラップを全てのレースで計算して予想してるのですが、この3つだけでも見えるものはあります。

残り3ハロンまでのラップ(全体時計から上がり3ハロンを引いたもの)はかなり有用性高いです。このラップの早い・遅いがぱっと分かるようになると、展開が理解できるようになります。特にかなりきついラップで先行してた馬が急に手薄なラップのメンバーに入ったなとか(過去の位置取りにとらわれずに)

●以上、原文ママ●

玉嶋亮

suzukiさんとマスターが議論しているのと、上で挙げたツイートを見て、「ちょっと高度すぎて、アマチュアはマネしちゃダメだよね」と思いました。

マスター

ほー、それは何故ですか?

玉嶋亮

いつも言っているんですが、我々アマチュアって、私のようなやり方で(映像至上主義)、質の高い予想をしようと思えば、予想できるレースがすごく少ないんですよ。私の場合は、芝オープンに戦場を限定しているので、年間100レース未満です。

ここに、suzukiさんやマスターがやっているようなプロのラップ読みを予想に組み入れようとすると、何が起こるかと言うと、、、ラップに踊らされて、予想がメチャクチャになります。要は、数字に遊ばれる。

マスター

確かに、僕らプロがこなせるレース数は(予想屋マスターは、2,000R/年)、本業を別に抱えているアマチュアがやろうとするのは非現実ですね。玉嶋さんのように、芝オープンに限定しているなら、東京芝2000mのレースって、年間何レースあるの?って感じですもんね。

玉嶋亮

そうなんです。ラップやタイムに傾倒しすぎると、間違いなく予想が濁ります。例えば、「競馬の教科書 別冊」でも話しましたが、トロワゼトワルは「史上最強マイラー」ではないし、キセキが「世界歴代2位」の馬かと言われると、そうじゃないのは誰でも同意すると思います。じゃあ、どこまでが例外なの?という話で。

もう1つ例を挙げます。白富士ステークスのジャックドールは、好タイムで勝ちました。天皇賞(秋)のエフフォーリアよりも速いタイムで勝ちましたが、実態はマイペースで気分良く逃げる内容で、手放しで高評価できる内容ではありませんでした。

ラップやタイムをこういう場面で持ち出そうとすると、予想が途端に濁ります。例外が頻繁に出てくるような指標はファクターとは呼べないし、それってポジショントークでしかない。自分にとって都合の良い数字や指標を都合の良い時だけ並べて、好きな馬を推すことしかできませんからね。そんなの、私が目指している論理的な予想ではありません。

マスター

なるほどね。さっき玉嶋さんが挙げた僕のツイートのラップの例ですけど、アマチュアが真似できるとは、僕も思っていませんもん笑。プロの予想でサンプル数が多いからファクターとして成り立つけど、そうじゃなければ、数字のお遊びで終わる可能性が高いよね。話題が変わりますが、玉嶋さんはラップを一切予想に組み入れていないのですか?

玉嶋亮

プロの目から見たら、大分レベルは落ちますが、部分的にファクターとしてラップも組み入れています。具体的には、①スタート200m、②ラスト200mのラップに着目しています。

目的は①ダッシュ力を見極めて、隊列を予想するため②垂れているか?垂れずに惰性で押し切っているか?「レース質」を見極めるためです。競馬場や馬場状態に依らず、どんな状況でも使えるレベルでしか使っていません。

マスター

なるほど。汎用性が高い条件でラップをファクターに落とし込んだ訳ね。それなら、予想するレース数が少なくても、現実的に扱えそうです。

玉嶋亮

仰る通りです。②については、上がり3Fでも良かったんですけど、多くの競馬ファンが好きな指標なので、ファクターとしてどうなのかな?と。踊らされたら、控除率突破が難しいのは自明です。現実的に、何をどこからどこまでできるだろうか?を考えた結果、ラップを上記のように使っています。

まとめです。メルマガをご購読いただいている会員の皆様は、玉嶋が予想屋マスターを徹底的にコピーしたのはご存知だと思います。一方で、やっぱりプロとアマチュアは環境が違いすぎるので、自分の置かれている環境下で、「何をどこからどこまでできるのか?」をよく考える必要があります。

今回、お話をした「ラップ」は最たるファクターで、使いこなすのに時間が掛かる上に、無機質な数字と戦わなくてはなりません。私は、仕事で数字を扱うことが多いのですが、本質を理解しない数字遊びは、間違った方向へ向かうトリガーであり、非常に危険です(間違った方向に進んでいることに気付けないのもNG)。また、プロの真似をするにしても、表面だけなぞってマネッコをするのは、お遊びの域です。そうならないよう、気を付けたいものです。

金子

Yo- Yo-

白星重ねろ 白毛ソダシ

面白い穴馬 白毛ハヤヤッコ

速い奴だ ハヤヤッコ

高まる白毛 勝負気配

高まる運気 神社でパンパン

白毛は 連対率100%

法則崩れたら 連帯責任

任せろ 責任は俺が取る

でもな 馬券は自己責任

Yo- Yo-

G1ジャックだ ジャックドール

スタコラサッサ パンサラッサ

アラタ 強すぎワロタ

………

Yo- Yo-

以上

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複勝チャレンジ除く 40%(10/25)

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この記事を書いた人
玉嶋亮

30代半ば/本業:士業/大学から本格的に競馬を始める。予想屋マスターを知り、理論的な競馬の分析に目覚める。リトル予想屋マスターを目指し、予想法を徹底的にコピーした。時間の制約があるため、芝オープンのみにフィールドを限定している。凱旋門賞の単勝万馬券、AJCCの288万円等の的中実績あり。「単勝多点」「変則フォーメーション」等多彩な馬券術に定評がある。「競馬の教科書」は個人出版ながら異例のベストセラー。「別冊」は予想屋マスターとの共著で再びベストセラー。日本一の競馬作家になるのが夢。Twitter(keiba_tamashima)

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