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『天皇賞春』展望、京都競馬場の見解~玉嶋亮の競馬予想コラム Vol.45

2023/05/07 更新

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京都競馬場がリニューアルオープンして、初のG1天皇賞春を迎えます。今回のメルマガコラムでは、コースが阪神から京都に戻る点について、予想でどう考慮するか?を考える回にしたいと思います。

 

絶版をかけた旧版『競馬の教科書』(ピンク本)では、2021年菊花賞(勝ち馬:タイトルホルダー)が京都から阪神へとコース替わりになる点について、「どう扱うべきか?」を詳述しました。今回は、逆のことが起こるので、当時の逆の考え方をしておけば良いと考えます。

京都競馬場の見解

ー以下『ピンク本』抜粋ー

 

2021年菊花賞の戦前時点では、阪神競馬場の長距離レースは京都よりも持久力が要求されることが定説になりつつありました。コースレイアウト自体は、京都 3000m よりも阪神 3000m の方がスタミナを要する点に関しては「その通り」だと思いますし、否定する気もありません。

 

しかし、阪神で行われる長距離レースは、馬場がボロボロの状態で行われることが多いのが通例です。私の記憶では、阪神の長距離戦において超高速馬場のレースを見たことはなく、持久力戦になるのは至極当然だと考えています。

 

一方、京都競馬場の場合、天皇賞(春)が典型的ですが、超高速馬場で行われることが多いです。京都の高低差は 4m、阪神は 3mであり、一概に阪神の方がタフな条件と決め付けるのは早計だと考え、コースレイアウトよりも馬場コンディションの影響の方が大きいと仮説を立てました。そして、馬場状態が高速化すれば、2012 年天皇賞(春)に勝ったビートブラックのようなとんでもない大逃げが決まってもおかしくないと考え、2021 年菊花賞では早速その舞台が整いました。前日土曜日の競馬を見ると、8R の 3歳上 1 勝クラス(1600m)では上がりタイム 33.3 秒(ラスト 200m で 11.6 秒)と、明らかに高速化した上に前残りの馬場状態になりました。

 

馬場状態が高速化すればレース質が軽くなり、前残りの高速決着になる可能性が高くなります。(第5章 実践例 ケーススタディ 2021 年菊花賞 タイトルホルダー参照)

 

菊花賞 GⅠ 阪神 3000m タイトルホルダー(1 着)単勝 8.0 倍 (ケーススタディ)

 

① 弥生賞、皐月賞のレースから、高い先行力、コーナリング能力があることが分かった。

 

② ダービーは 6 着に敗れたが、外差しのトラックバイアスで内側から早めに仕掛ける競馬であり、内容は悪くなかった。

 

③ ①②より、春クラシック組の中では、菊花賞に出走している馬の中では最上位クラスの能力があると判断した。

※ステラヴェローチェは、皐月賞、ダービーともにゴール手前で強襲して 3 着に食い込んできた内容。しかも、皐月賞は有利な内側、ダービーでは有利な外側から差してくる内容であり展開、トラックバイアスに恵まれた。単勝では狙いにくい上に、前哨戦の神戸新聞杯を勝って単勝 4.1 倍と、やや過剰人気気味だった。

 

④ セントライト記念では、直線で進路を失う絶望的な不利があり、競馬なっておらず参考外。さらに、惨敗したことによって人気が急落し、妙味が生まれた。絶好の狙い時。

 

⑤ 阪神競馬場は、前残りの高速馬場。先行力とコーナリング能力の高いこの馬にとって、大きなアドバンテージ。

 

ー以上『ピンク本』抜粋ー

 

まとめです。先週のマイラーズカップの時も書きましたが、やることは毎週同じです。坂が勝負どころの3,4コーナーにあるか、ゴール前にあるかの違いはありますが、結局のところ、レースがどこで動くか?は、『競馬の教科書』で言及した『展開』です。『展開』は、騎手心理でどうにでもなります。例えば、前週の福島牝馬ステークスでは、向こう正面でストーリアが後方から動いていきましたが、あの動きを予想の段階で考慮に入れるのは極めて困難です(分からない)。

 

一方で、『隊列』は馬の性能(過去のレース)から読むことができますし、トラックバイアスも当日のレースから判断することができます。

 

坂のレイアウトや展開の影響で、多少の誤差は発生しますが、結局前残りか?差し決着か?は『隊列』『トラックバイアス』から大きな影響を受けることがほとんどです。したがって、坂のレイアウトやコース形態、展開(どこでレースが動くか?)には過敏に反応する必要がありません。

 

影響の小さいファクターや、読みづらいファクターである『展開』等を予想に組み入れてしまうと、知らず知らずのうちに、間違いの方向へと向かっていってしまっても気付けないのが問題です。さらに、分からないファクターを使って予想することの問題点がもう1つ。その予想が正しかったか?間違っていたか?判断できるでしょうか?例えば、「レースがどこで動くか?」を「こうだ」の想定の下で予想を組み立てると、結局は騎手心理頼みになって、思い通りの展開で進まなければ、「思っていたのと違った」と結論付けることしかできません。コイントスの裏表当てゲームと同じで、次に向けて改善のしようがありません。次も同じ間違いを何度も何度も繰り返さないでしょうか?

 

『展開』を予想ファクターとして過剰に取り入れてしまうと、上記2つの問題が予想に悪い影響を与えないか?各自、考えてみてください。

 

『天皇賞春』有力馬

 

アスクビクターモア

https://twitter.com/keiba_tamashima/status/1650268143166853121?s=19

 

ジャスティンパレス

https://twitter.com/keiba_tamashima/status/1650626146839711744?s=19

 

タイトルホルダー

https://twitter.com/keiba_tamashima/status/1650628508790530049?s=19

 

ディープボンド

https://twitter.com/keiba_tamashima/status/1650992619030450177?s=19

 

ボルドグフーシュ

https://twitter.com/keiba_tamashima/status/1650986025592954880?s=19

 

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番付(あいうえお順)

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横綱

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大関

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関脇

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小結

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前頭以下

 

番付の意味

 

1ランク差

→枠順、トラックバイアス、展開次第では逆転可能。

 

2ランク差

→枠順、トラックバイアス、展開に恵まれても逆転困難。

 

秘密兵器

→過去のレースから、番付上位と互角に渡り合える可能性を秘めた馬。

 

※番付は、過去のレースにおける最大出力を評価する指標であり、この序列の通り決着することを示すものではありません。

 

『天皇賞春』『番付』については、『全頭MTPフルオープン』と併せて、『天皇賞春 予想屋マスター&かずま ライブ配信』で発表、解説します。

 

4/30(日)14時より!予想屋マスター&かずま(アーカイブあり)

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以上を踏まえて、当日の枠順、馬場状態、オッズを確認して検討します。

 

メルマガ作成者:

玉嶋亮

メルマガ発行人:

予想屋マスター事務局

 

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この記事を書いた人
玉嶋亮

30代半ば/本業:士業/大学から本格的に競馬を始める。予想屋マスターを知り、理論的な競馬の分析に目覚める。リトル予想屋マスターを目指し、予想法を徹底的にコピーした。時間の制約があるため、芝オープンのみにフィールドを限定している。凱旋門賞の単勝万馬券、AJCCの288万円等の的中実績あり。「単勝多点」「変則フォーメーション」等多彩な馬券術に定評がある。「競馬の教科書」は個人出版ながら異例のベストセラー。「別冊」は予想屋マスターとの共著で再びベストセラー。日本一の競馬作家になるのが夢。Twitter(keiba_tamashima)

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