今週は、フルゲート１８頭に対して１９頭の出走登録馬があった朝日杯フューチュリティステークス（朝日杯FS２０２４年）の予想について解説する。朝日杯フューチュリティステークスは、ホープフルステークスがG1に格上げになったことで、クラシックへの登竜門ではなくなったが、２歳のマイル王決定戦である。また、日本ダービー馬ドウデュースを輩出しているように、２０２４年のG1戦線を占う意味でも注目を集める。今年は、サウジアラビアロイヤルカップを制したアルテヴェローチェが人気となりそうだが、人気が割れる混戦模様である。そこで、競馬理論の競馬予想では、朝日杯フューチュリティステークスの出走予定馬の能力をステップレースごとに分析する。

黄菊賞組

ミュージアムマイル

黄菊賞の勝利は、中団の外目追走から楽に抜け出して２着に３馬身もの差をつけており、力の違いを見せつけた。なお、ミュージアムマイルは、デビュー戦で３着に敗れているが、行ったきりの展開で出遅れて脚を余しただけで悲観すべき内容ではない。よって、朝日杯フューチュリティステークスにおいては、急激なメンバー強化ではあるものの黄菊賞の勝ちっぷりが強いミュージアムマイルにかなり高い評価を与えて当然である。

サウジアラビアロイヤルカップ組

アルテヴェローチェ

サウジアラビアロイヤルカップの勝利は、好スタートから一旦は押さえて直線で大外から差し切っており、ハイペースを加味すると多少展開に恵まれた感はあるものの、強い内容であった。なお、アルテヴェローチェは、２戦２勝と能力的にも底を見せていない。よって、朝日杯フューチュリティステークスにおいては、アルテヴェローチェにもかなり高い評価を与えるべきである。

タイセイカレント

サウジアラビアロイヤルカップの２着は、出遅れながらも１馬身差まで追い込んだことは立派だが、ハイペースを最後方ポツン一頭で気分よく追走する展開に恵まれた。よって、朝日杯フューチュリティステークスにおいては、タイセイカレントに押さえ程度の評価を与えれば十分である。

アルレッキーノ

サウジアラビアロイヤルカップの５着は、折り合いを欠いて伸びを欠いたのは確かだが、それにしても負け過ぎである。ただし、アルレッキーノは、好メンバー揃いのサウジアラビアロイヤルカップで１番人気に推された上に、未勝利戦を１分３３秒３の好時計で逃げ切った素質馬である。よって、朝日杯フューチュリティステークスにおいては、気分よく走って能力さえ発揮できれば、アルレッキーノの巻き返しもあり得る。

新潟２歳ステークス

トータルクラリティ

新潟２歳ステークスの勝利は、好位追走から一旦はコートアリシアンに交わされながらも差し返す強い内容であったが、スローペースだったから差し返したとみることもできる。そのコートアリシアンが阪神ジュベナイルフィリーズで６着止まりであったことからレースのレベルもそこまで高くない。よって、朝日杯フューチュリティステークスは、トータルクラリティに押さえ程度の評価を与えれば十分である。

クローバーステークス組

ニタモノドウシ

クローバーステークスの勝利は、２着に２馬身差と力の違いを見せつけたが、かなり低調なメンバー構成に恵まれた。よって、朝日杯フューチュリティステークスにおいては、能力的に底を見せていない点を加味しても、ニタモノドウシには押さえ程度の評価を与えれば十分である。

京王杯２歳ステークス組

パンジャタワー

京王杯２歳ステークスの勝利は、人気こそなかったが、中団の外目追走から差し切る強い内容であった。よって、朝日杯フューチュリティステークスにおいては、さらなるメンバー強化を考慮しても、パンジャタワーにそれなりの高い評価を与えるべきである。

クラスペディア

京王杯２歳ステークスの６着は、楽に先行しながらも止まってしまっており、力負けであった。また、クラスペディアは、小倉２歳ステークス及び新馬戦でエイシンワンドにも力負けであった。よって、朝日杯フューチュリティステークスにおいては、クラスペディアに高い評価は不要である。

エイシンワンド

京王杯２歳ステークスの８着は、先行する自分の競馬ができなかったにせよ、見せ場すらなかった。なお、エイシンワンドは、小倉２歳ステークス勝ちの実績があるが、弱いメンバー構成と楽に先行する展開に恵まれた。よって、朝日杯フューチュリティステークスにおいては、距離延長も減点材料のエイシンワンドに高い評価は不要である。

デイリー杯２歳ステークス組

ドラゴンブースト

デイリー杯２歳ステークスの２着は、スローペースの２番手追走ながらもランフォーヴァウに差し切られてしまっており、力負けであった。そのランフォーヴァウが阪神ジュベナイルフィリーズで１１着に敗れており、デイリー杯２歳ステークスのレベル自体も低い。よって、朝日杯フューチュリティステークスにおいては、ドラゴンブーストに高い評価は不要である。

京都の未勝利戦組

アドマイヤズーム

京都の未勝利戦の勝利は、２番手追走から３馬身差をつけており、力の違いを見せつけた。なお、アドマイヤズームは、デビュー戦を見ると、現時点では一線級相手では少し力差がありそうである。よって、朝日杯フューチュリティステークスにおいては、前走の勝ちっぷりを評価しつつも、アドマイヤズームには押さえ程度の評価を与えれば十分である。

まとめ

G1にしては低調なメンバー構成。レベルの高いサウジアラビアロイヤルカップ組とミュージアムマイルが中心になりそうだが、能力的に抜けているわけでもないので波乱の余地もありそう。以上、朝日杯フューチュリティステークスに出走登録している有力各馬の能力を分析した。この分析結果に、展開、調教、枠順、人気及び馬場状態などの様々な要素を加味して、朝日杯フューチュリティステークス（２０２４年）の最終的な予想を決断する。