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安田記念 1951年、競馬法の制定や東京優駿大競走(日本ダービー)の創設など日本競馬の発展に尽力した日本中央競馬会初代理事長・安田伊左衛門の功績を称え4歳(現3歳)以上のハンデキャップの重賞競走安田賞として創設、第1回は東京競馬場の芝1600mで施行された。1951年当時としては古馬の重賞は全て2000m以上で開催されており、古馬が出走可能なマイルの重賞はこの安田賞が初となる。個人名を冠した重賞競走も日本初であった。
1958年、安田が5月18日に死去したため名称を現在の安田記念に変更、1960年からは施行距離を芝1800mに変更したが1962年には芝1600mに戻した。1967年は東京競馬場の改修工事により中山競馬場の芝外回り1600mで施行、1972年は流行性の馬インフルエンザの影響により1ヶ月遅れの7月23日に施行した。
1984年からはグレード制施行に伴い最高位のGIに格付けすると共に施行時期をオークスの前週に移設されたことにより出走資格を5歳(現4歳)以上に負担重量を定量に変更、更に混合競走に指定され外国産馬の出走が可能になり春のマイル最強馬決定戦として位置付けられ同年に新設された秋のマイルチャンピオンシップとマイル最高峰の双璧を成す競走として施行される事になる。
1993年からは国際競走に指定され外国調教馬が出走可能になり、更に1995年からは指定競走に指定、地方所属馬が出走可能になり、1996年からは施行時期を日本ダービーの翌週に移設されたことにより再び出走資格を4歳(現3歳)以上に変更、2004年からは国際セリ名簿基準作成委員会により国際グレードのGIに格付け、2005年からは香港ジョッキークラブとの提携でアジアマイルチャレンジを構成した(2011年を最後に休止)。
創設当初はそれほど重要視された重賞競走ではなく、ハンデキャップ競走として施行されていた。しかし1983年までの日本競馬界は長距離重賞最優遇の時代であった。当時、血統の都合などから長距離適性がない短中距離馬にとってはあまりにも不遇の時代であった。1600m以下の重賞は番組形態も整理されておらず、重賞がポツポツと年間カレンダーに点在する状況だった。その中でも春季の締め、東京競馬春開催最終日のメインレースとして行われる当競走は当時の一線級の短中距離馬が揃う名物レースであり、当時としては八大競走以外の数少ない全国発売レースの1つであった。だがそのようなレースでありながらも1983年の当競走の優勝賞金は3200万円であり、古馬1600m以下の重賞では最高金額ではあるものの他の長距離重賞に比べれば安めに設定されていた[1]。この事からも当時の短中距離馬の冷遇ぶりは伺える。
だが1984年のグレード制施行により短距離路線の番組形態が整理されGIに格付けされたことに伴い、優勝賞金を5000万円に大幅増額。名実ともに日本の春のマイル最強馬決定戦となる。その後、国際レース化され2004年には国際グレードのGIに格付け、2005年からはアジアマイルチャレンジを構成したため香港マイルやドバイデューティーフリーと並ぶアジアのマイル最強馬決定戦として定着。日本で最も歴史と伝統があり、最も格の高いマイル重賞として世界的にも知られる事になる。国内のマイラーのみならず中長距離馬にとっても栄誉の一戦であり宝塚記念と共に春の最強馬を占うレースとして君臨する事になった。現在では、「春の東京GI5連戦」のラストを飾るレースである。
秋の天皇賞や秋華賞、エリザベス女王杯、ジャパンカップが直近にあるマイルチャンピオンシップと違い春季は中距離のGIレースが無く6月下旬開催の宝塚記念は梅雨時である事を嫌い、中長距離馬であっても特に重馬場を苦手とする馬は安田記念を春の最大目標とする陣営が多くなってきている。故に短中長距離の一線級の豪華メンバーが一堂に集う事が多い。そのためJRAのGIレースの中でも大きい注目を集めるレースの1つである。売上規模も有馬記念、日本ダービー、天皇賞、ジャパンカップ、皐月賞に次ぐ規模であり例年200億円前後を売り上げる。また、アジアマイルチャレンジの最終戦となった事により世界的にも注目されるレースとなり、香港やUAEなど海外から有力馬が多く遠征している。1995年、2000年、2006年は外国調教馬が本競走に優勝した。
直線の長い東京コースで行われるマイルGIということもありスピードだけでなく相応のスタミナも要求される。歴代の優勝馬にもギャロップダイナ、オグリキャップ、ウオッカなど中長距離の重賞の優勝経験を持つ馬が多い。秋の同じ距離で行われるマイルチャンピオンシップとは対照的に1番人気がかなり不振であることも特徴的で、1992年以降馬番連勝複式馬券で万馬券が10回飛び出すなどかなり波乱の様相が出ている。
また1984年にGI格付けされて以降は3歳馬の出走が不可となっていたが、施行時期が移設された1996年に再び出走可能な条件になった。同じ競馬場・距離で行われるNHKマイルカップから中3週で斤量が同競走よりも3kg軽い(NHKマイルカップは牡馬57kg、牝馬2kg減)という有利な条件ではあるが、東京優駿を最大目標にする陣営が多いことから当競走への出走自体が少なく優勝馬は出ていなかったが2011年のリアルインパクトが59年ぶりにGI格付け以降では初の優勝を記録した。
現在の優勝レイの配色は、赤色地に金色文字となっている。
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今週は、フルゲート18頭に対して17頭の出走登録馬にとどまった春のマイル王決定戦安田記念(2020年)の予想について解説する。
ヴィクトリアマイルを圧勝したアーモンドアイが、単勝オッズ1倍台と断然の1番人気になりそうで、去年の雪辱を果たせるかが注目を集める。
一方で、去年の覇者インディチャンプなどマイル戦線のトップクラスも揃っており、ハイレベルな一戦となりそうである。
そこで、競馬理論の競馬予想では、安田記念の出走予定馬の能力をステップレースごとに分析する。
目次
ヴィクトリアマイル組
1着のアーモンドアイ(ルメール)・3着のノームコアの合計2頭が出走登録している。
アーモンドアイ
ヴィクトリアマイルの勝利という結果は、馬なりのまま2着に4馬身もの差をつけており、能力の違いを見せつけた。また、アーモンドアイは、去年の安田記念でこそ3着に敗れてしまったが、スタートの大きな不利及びイン有利の馬場で外を回らされるロスがありながらも、インディチャンプとクビ+ハナ差の同タイプで走っており、負けて強しの内容であった。
よって、安田記念の予想では、アーモンドアイが去年の雪辱を果たして、マイルG1を連勝する可能性が極めて高いと判断すべきである。
ノームコア
ヴィクトリアマイルの3着という結果は、アーモンドアイには力負けであった。しかしながら一方で、前が止まりくい馬場で外枠からの発走且つ出遅れた割には2着のサウンドキアラとクビ差までよく追い込んだ。また、ノームコアは、去年のヴィクトリアマイルの覇者であり、東京コースは得意な舞台である。
よって、安田記念の予想では、ノームコアに、アーモンドアイの相手候補という意味でそれなりの注意を払うべきである。
京王杯スプリングカップ組
1着のダノンスマッシュ(三浦皇成)・5着のセイウンコウセイ(内田博幸)・6着のケイアイノーテック(津村明秀)・7着のストーミーシー(横山武)・8着のタワーオブロンドンの合計5頭が出走を予定している。
ダノンスマッシュ
京王杯スプリングカップの勝利という結果は、上がり33秒1で逃げ切ったようにスローペースの単騎逃げの展開に恵まれたものである。 また、ダノンスマッシュは、スプリント戦線ではトップクラスのスピードを秘めるが、マイルとなると距離が長過ぎる上に、マイル戦線の方がレベルが高い点もマイナスである。
よって、安田記念の予想では、ダノンスマッシュに高い評価は不要である。
セイウンコウセイ・ケイアイノーテック・ストーミーシー・タワーオブロンドン
京王杯スプリングカップのレース内容は見所がなかった。 よって、安田記念の予想では、さらなるメンバー強化を考慮すると、セイウンコウセイ、ケイアイノーテック、ストーミーシー及びタワーオブロンドンに高い評価は不要である。
マイラーズカップ組
1着のインディチャンプ(福永祐一)・3着のヴァンドギャルド(岩田望)・4着のロードクエストの合計3頭が出走登録している。
インディチャンプ
マイラーズカップの勝利という結果は、スローペースの好位のインを追走する展開に恵まれたこともあるが、58キロの斤量で2着に2馬身の差をつけており、格の違いを見せつけた。また、インディチャンプは、去年のマイルG1を2勝しており、マイル戦線ではトップクラスであることには疑いの余地がない。ただし、去年の安田記念の内容を見る限り、インディチャンプがアーモンドアイに逆転される可能性は高い。
よって、安田記念の予想では、インディチャンプに、アーモンドアイの相手候補の筆頭程度の評価を与えるべきである。
ヴァンドギャルド
マイラーズカップの3着という結果は、出遅れてしまった上にスローペースで脚を余してしまっており、インディチャンプと着差ほどの能力差があったわけではない。ただし、今の東京競馬場は前が止まりにくい馬場状態であることも確かである。
よって、安田記念の予想では、差しが届く展開や馬場になった場合にのみ、ヴァンドギャルドに少しだけ注意を払えば良い。
ロードクエスト
マイラーズカップのレース内容は見所がなかった。
よって、安田記念の予想では、ロードクエストに高い評価は不要である。
大阪杯組
3着のダノンキングリー(戸崎圭太)が出走を予定している。
ダノンキングリー
大阪杯の3着という結果は、楽に逃げる展開を考えると少し残念だが、スローの瞬発力勝負で切れ負けしてしまっただけである上に、この馬にとっては少し距離が長かった。
また、ダノンキングリーは、中山記念では、後の大阪杯馬ラッキーライラックを破っており、能力はG1級である。
よって、安田記念の予想では、ダノンキングリーにもそれなりの高い評価を与えて当然である。
香港マイル組
1着のアドマイヤマーズ(川田将雅)が出走登録している。
アドマイヤマーズ
香港マイルの勝利という結果は、海外遠征でノームコアやインディチャンプを破っており、強い内容であった。また、アドマイヤマーズは、NHKマイルカップ馬であり、東京のマイル戦は得意な舞台である。
よって、安田記念の予想では、アドマイヤマーズにもそれなりの高い評価を与えるべきである。
高松宮記念組
2着のグランアレグリア(池添謙一)が出走を予定している。
グランアレグリア
高松宮記念の2着という結果は、逃げたモズスーパーフレアを捕えきれなかっただけであり、負けて強しの内容であった。なお、グランアレグリアは、マイル戦は少し距離が長いことも確かだが、桜花賞を圧勝したように気分よく走れさえすれば問題はない。
よって、安田記念の予想では、グランアレグリアにもアーモンドアイの相手候補としてそれなりの高い評価を与えるべきである。
クイーンエリザベスカップ組
3着のダノンプレミアム(レーン)が出走登録している。
ダノンプレミアム
クイーンエリザベスの3着という結果は、1番人気を裏切ってしまったが、初の海外遠征で道悪だったことを考慮すると同情の余地がある。なお、ダノンプレミアムは、去年の秋に天皇賞とマイルチャンピオンシップで連続2着に好走しており、マイル戦線ではトップクラスの能力を秘める。
よって、安田記念の予想では、ダノンプレミアムが去年以上の走りをするのは当然と判断すべきである。
以上のように、競馬理論の予想では、安田記念に出走を予定している有力各馬の能力を分析した。
この分析結果に、展開、調教、枠順、人気及び馬場状態などの様々な要素を加味して、
安田記念(2020年)の最終的な予想を決断する。
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開催日:2024/06/02
着順 | 馬番 | 馬名 | MI | 性別 | 馬齢 | 斤量 | タイム | 基 | KP | BP | AP | TP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | ロマンチックウォリアー | 83 | セン | 6 | 58 | 01:32.3 | 82 | 0 | 0
|
1
|
0
|
2 | 5 | ナミュール | 82 | 牝 | 5 | 56 | 01:32.4 | 81 | 0 | 0
|
1
|
0
|
3 | 10 | ソウルラッシュ | 81 | 牡 | 6 | 58 | 01:32.4 | 81 | 0 | 0
|
0
|
0
|
4 | 2 | ガイアフォース | 79 | 牡 | 5 | 58 | 01:32.6 | 79 | 0 | 0
|
0
|
0
|
5 | 17 | セリフォス | 78 | 牡 | 5 | 58 | 01:32.7 | 78 | 0 | 0
|
0
|
0
|
6 | 4 | ジオグリフ | 77 | 牡 | 5 | 58 | 01:32.8 | 77 | 0 | 0
|
0
|
0
|
7 | 12 | フィアスプライド | 77 | 牝 | 6 | 56 | 01:32.8 | 77 | 0 | 0
|
0
|
0
|
8 | 16 | エルトンバローズ | 77 | 牡 | 4 | 58 | 01:32.9 | 76 | 0 | 0
|
1
|
0
|
9 | 13 | ステラヴェローチェ | 75 | 牡 | 6 | 58 | 01:33.0 | 75 | 0 | 0
|
0
|
0
|
10 | 8 | エアロロノア | 74 | セン | 7 | 58 | 01:33.2 | 73 | 0 | 0
|
1
|
0
|
11 | 3 | レッドモンレーヴ | 74 | 牡 | 5 | 58 | 01:33.2 | 73 | 0 | 0
|
1
|
0
|
12 | 14 | コレペティトール | 73 | 牡 | 4 | 58 | 01:33.2 | 73 | 0 | 0
|
0
|
0
|
13 | 9 | パラレルヴィジョン | 72 | 牡 | 5 | 58 | 01:33.3 | 72 | 0 | 0
|
0
|
0
|
14 | 11 | ウインカーネリアン | 72 | 牡 | 7 | 58 | 01:33.3 | 72 | 0 | 0
|
0
|
0
|
15 | 18 | ダノンスコーピオン | 69 | 牡 | 5 | 58 | 01:33.6 | 69 | 0 | 0
|
0
|
0
|
16 | 1 | カテドラル | 69 | 牡 | 8 | 58 | 01:33.6 | 69 | 0 | 0
|
0
|
0
|
17 | 15 | ヴォイッジバブル | 69 | セン | 6 | 58 | 01:33.6 | 69 | 0 | 0
|
0
|
0
|
18 | 6 | ドーブネ | 67 | 牡 | 5 | 58 | 01:33.8 | 67 | 0 | 0
|
0
|
0
|
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3/1(土)オーシャンS3/2(日)中山記念・チューリップ賞※更新をお待ちください
過去5年のトラックバイアス
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6/2(日)東京
重馬場も雨の影響なし
6/4(日)東京
6/5(日)東京
6/6(日)東京
6/7(日)東京
6/2(日)東京
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25/2/22 19:04 更新