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函館記念 馬券のポイント
今週は函館記念です。いつも通り、netkeibaさんで想定メンバーと予想オッズを月曜日に確認しました。 そこで感じた第一印象は、「去年より、馬券が難しい」でした。
※「予想」ではなく「馬券」
それって玉嶋さん、カフェファラオのこと言ってるでしょ?
どうして分かるんすか笑?そうですよ、仰る通り。去年、カフェファラオはダートからの臨戦態勢でした。日本競馬が芝≫ダートなのは誰でも知っていると思いますが、それでもカフェファラオが一番人気(4.1倍)でした。そもそも、芝適性があるか分からない状況だったので、このオッズなら割り切って消して良い局面でした。
さらに、ジェットモーション(8.8倍)は怪しい匂いがプンプンしましたし、マイネルウィルトス(6.1倍)も「凱旋門賞」 が独り歩きして、過剰に人気を背負っている感がありました。
「狙っていた馬が出てくる」とかではなく、上位人気を何らかの根拠を持って消せれば、馬券を買えるレース(勝負レース)にできる可能性が飛躍的に高くなると思います。競馬は、あくまでメンバー間の相対評価が大事。マスターはどう思いますか ?
そうだね。条件戦なんか本当に多いよ。前走2着なんて、如何にも勝ちそうじゃん?でも、これが落とし穴で、トラックバイアスに恵まれた馬や、ポツンの単走状態で気分良くレースを進めた馬なんかは、次走で凡走するんじゃないか?って懐疑的な目線で見れますよね。こういう馬を軽視できる条件が揃えば、馬券で圧倒的に優位。玉嶋さんが言う通り、こういうレースを狙い続ければ勝てるよね。
だからこそ、過去のレース映像は大事にすべきなんですよね。数字を眺めていても、映像からしか得られない情報って沢山あるし。 大変なんだけど、ここで手は絶対抜いちゃいけないと思います。
函館記念に話題を戻します。じゃあ、今年の函館記念は「馬券買えるの?」っていう話になるんですが、直感的には微妙なラインです。これから検証しますが(この原稿を書いているのは、月曜日)、 買えない可能性が結構あるかなあ。
馬券買えないかもと思って予想しているのって、多分玉嶋さんくらいしかいないよ笑
そうかも知れません。でも、マスターだって、予想を売っていますけど「条件が悪ければ馬券買うな!」じゃないですか。だから同じですよ。
あと、予想する時は、馬券に対してあまり前のめりにならないようにしています。週中から「買いたい買いたい」 精神状態で週末を迎えると、いざオッズが割に合わないと狼狽えるし、魔が差します。買わない決断を下すのに、余計なエネルギーも使いますし。
馬券を買ってレース見る方が楽しいに決まっているし、一生懸命予想したレースを見送るのは、まあまあ苦痛です。発想を変えて、少しでも気持ちの面で波風を立てない工夫って、結構大事かな?と思います。
洋芝とは何者か? その本質に迫る
※「競馬の教科書」より抜粋
夏競馬の風物詩であり、函館、札幌で使われている「洋芝」。紙面 では、「洋芝巧者」も文字をよく見かけます。問題は、その性質です。洋芝について触れる前に、先に野芝について触れておきたいと思います。夏競馬の小倉は野芝 100%であり、生育が良好であればあるほど時計が速くなります 。例えば、2021 年夏競馬の小倉開幕週で施行された CBC賞は、ファストフォースが勝ちました(1:06.0:芝 1200mの日本レコード)。一方、洋芝ではどうでしょうか?2021 年の札幌開催の走破タイムを以下に示します(距離 1200m)。
1:07.6 函館 SS(札幌 6/13)
1:07.8 TVh 賞(札幌 6/26)
------この間に函館開催あり------
1:08.8 UHB 賞(札幌 8/15)
1:09.1 キーンランドカップ(札幌 8/29)
全て良馬場の結果です。徐々に時計が掛かっているのは偶然ではありません。洋芝は、生育が進むと、 時計の掛かる馬場にシフトしていきます。キーンランドカップの馬場は、函館SSの時とは、全くの別物です。ここで言及したいのは、生育が進んでいない6月頃は、洋芝の芝丈が伸びておらず、高速決着になりやすいということです。
つまり、この時期の芝を「時計が掛かる洋芝」と考えてしまうと、 見当外れな予想になってしまいます(函館の洋芝も同様です)。「 函館SSは、洋芝にあらず」ということを念頭に置いて予想しましょう。
※以上が洋芝の性質です。これが頭に入っているのといないのでは 、予想の質に大きな差が生まれます。洋芝シーズンは折り返しを迎 えましたが、この理論は来年以降も使えます。
金子さん「セレクトセール」
セレクトセール開催に伴い、休載します。
※金子さん・・・玉嶋が競馬と出会うきっかけを作ったアルバイト 時代の先輩
【玉嶋亮・著書の紹介】
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2022年 上半期 成績
年間予算の52%消化(32R)
的中率53%(17/32)
複勝チャレンジ除く 40%(10/25)
主力券種:馬単、三連単
回収率&主な的中:Twitterプロフィール欄
複勝チャレンジ:7戦7勝
30代半ば/本業:士業/大学から本格的に競馬を始める。予想屋マスターを知り、理論的な競馬の分析に目覚める。リトル予想屋マスターを目指し、予想法を徹底的にコピーした。時間の制約があるため、芝オープンのみにフィールドを限定している。凱旋門賞の単勝万馬券、AJCCの288万円等の的中実績あり。「単勝多点」「変則フォーメーション」等多彩な馬券術に定評がある。「競馬の教科書」は個人出版ながら異例のベストセラー。「別冊」は予想屋マスターとの共著で再びベストセラー。日本一の競馬作家になるのが夢。Twitter(keiba_tamashima)