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こんばんは!玉嶋です。
早速ですが、今週末の『エリザベス女王杯』予想のポイント、番付について、玉嶋の見解をお届けします。
●雑談
まずは、先週もありがとうございました。私の方ですが、アルゼンチンは不的中でした。◎を打ったキングオブドラゴンが逃げのポジションを取って、印を回した馬の多くは前目のポジションを独占していました。「これ来たら帯だ(シメシメ)」と思っていたら、直線を向いたら内ラチに突っ込みました笑(人馬ともに無事)。
まあ、競馬だから笑。そういうこともあるよね。
あれがなくても、馬券が当たっていたかどうかなんて、分からないですからね。そんなん言っていたら、キリないし。それが嫌なら、競馬なんてやめてしまえ、というハナシにしかなりません。前にもお話をしましたが、逆の立場で当たることだってありますから。今週は自分の馬券は外れてしまいましたが、土日はマスターの予想に助けられました。(計5的中)
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今週は、上手く噛み合って高配当取れましたね。それより、今日の本題のマトリックス。あれ面白いね。
●『マトリックス』期待値を言語化
①低的中-高回収(L-H 型)
混戦で、能力が高い割にオッズと乖離があるケース。一方で、上位人気が凡走する可能性が低くない。いわゆる「穴をあけるチャンス」(AJCC、福島牝馬ステークスほか)
②高的中-高回収(H-H 型)
能力の高い馬が、人気通り好走しそうなケース。オッズが付く時だけ馬券を買うのがポイント。(秋華賞、菊花賞、複勝チャレンジ全般ほか)
③低的中-低回収(L-L 型)
混戦で、「能力拮抗」がオッズに反映されているケース。ハンデ戦でよく出現する。特に、夏競馬は控除率突破が難しい。(夏のハンデ重賞の大半)
④高的中-低回収(H-L 型)
能力の高い馬が、人気通り好走しそうなケース。オッズが付かない時は馬券を買わないのがポイント。「競馬に絶対」はない。(ダービー、天皇賞(秋))
※間もなく先行予約開始の新書「競馬の教科書」の中でも、マトリックスが登場します。
上記のマトリックス(新書では、表形式)は、レース個別の期待値を言語化したものです。言うまでもなく、狙うべきなのは①②のパターン。これからも言い続けますが、「当てる自信の有無」は大した問題ではなく、期待値的にどうか?です。例えば、当てる自信がいくらあっても、複勝1.1倍なら11レース中10レース当ててやっとトントン。どんなに強い馬でも、絶対はないのが競馬です。
●マスターの予想とマトリックス
予想屋マスターは、よく「基準倍率以上」の買い目だけを馬券に仕込むようにマスターが言っているのは、マトリックスで示す「④H-L型」の買い目を避けるようにという意味です。いくら高精度の予想であっても、安すぎる買い目では控除率を突破できません。
また、出現頻度は低いですが、「①L-H型」に該当する「穴C」「穴D」のレースは非常に期待値が高いので、これだけを狙い続ければ、さらに高い回収率を期待できますが、収束までそこそこ時間を要するデメリットがあります。
したがって、「①L-H型」「②H-H型」の2パターンを狙い続けて、トータルコーディネートでプラス収支を目指すのが、ほど良いバランスかな?と個人的には思います。
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●『エリザベス女王杯』有力馬(一部抜粋)
●デアリングタクト
オールカマーで6着に敗れました。このレースの内容で、気になったことがあります。この馬本来の持ち味は、ゴール手前で猛追する強烈な末脚です。例えば、ドロドロの重馬場で大外から末脚を伸ばした桜花賞や、前有利のトラックバイアスでゴール前強襲を決めたオークスがこの馬の真骨頂です。
宝塚記念は3着でしたが、コーナリングに難を抱えているこの馬にとっては仕方ない着順でしたし、ゴールまでしっかりと末脚を伸ばしていたので、悲観するような内容ではありませんでした。この時は「秋にジャパンカップで復活してもおかしくない」くらい期待が持てる内容でしたが。。。
オールカマーでは、トラックバイアス的に不利な大外を回したとは言え、圏外。しかも、ラスト200mではジェラルディーナ、ロバートソンキーよりも脚色劣勢と、負け方の質が良くなく、ちょっと心配になる内容でした。現時点では、エリザベス女王杯で人気を背負うようなら、あまり楽観的に評価できないと考えています。ただ、無敗の三冠馬なので、アッサリとこの難局を乗り越えるかも知れませんが。。。能力最上位であることを頭に入れた上で、リスクリターンをどうするか?がポイントになりそうです。
●スタニングローズ・ナミュール
秋華賞でワンツーを決めた2頭を比較します。この2頭については、秋華賞の予想、レース後の振り返りでも書いた通り、能力的には同等です。
スタニングローズは、秋華賞で残り200m付近で先頭を窺い、後続から迫ってくるナミュール、スターズオンアースを完封する完璧なレースでした。
一方、ナミュールは、勝負どころで外に振られるシーンがありました。これをどう捉えるか?また、エリザベス女王杯の予想では、どう考えるか?について触れたいと思います。
ナミュールの場合は、持っている能力(最大出力)が100あったとして、レースでのパフォーマンスにムラがあります。チューリップ賞を100とすると、秋華賞は70程度か?秋華賞の相手は今回よりも弱く、勝負どころでの進路争いは今回よりも楽な相手でしたが、それでも立ち遅れてしまいました。では、エリザベス女王杯でどう考えるかというと、秋華賞よりもメンバーが強力で、進路争いはさらに熾烈になります。「力を出しきれれば」好走できますが、立ち遅れて大外に押し出されて、満足なパフォーマンスを出せない可能性は視野に入れておくべきと考えます。
逆に、スタニングローズの場合は、勝負どころで好き放題進路を確保できる器用さがあり、100ある能力をコンスタント高いレベルで発揮できるタイプの馬です。私は、タイトルホルダーやアスクビクターモアと同系統と見ています。人気を背負う馬に重い印を回す場合(軸等)、やはり安定感は大事です。トラックバイアスや枠順にも依りますが、軸向きなのはスタニングローズと考えます。
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●3歳馬と古馬の比較
①3歳牝馬と3歳牡馬の比較
まず、3歳馬同士の比較ですが、牡馬優勢です。去年のサウジアラビアRCでステルナティーアがコマンドラインにアッサリ負けた時から違和感がありましたが、混合戦でことごとく牡馬に負けています。さらに、今年の場合は、サトノレイナス(ダービー参戦)のように、牡馬に挑戦しようとする気運も弱いと見受けられます。→3歳牡馬相手には、大きく見劣る。
②3歳牝馬と古馬の比較
今年の場合は、古馬の中距離~マイル路線に挑戦しようとする気運自体が弱く、参考になるのがウォーターナビレラ(クイーンステークス惨敗)くらいしかいません。去年はソダシ(札幌記念快勝)、ソングライン(関屋記念、富士ステークス連続好走)がいましたが、今年はそのような馬がいません。
③3歳馬のメンバー構成
大将格のスターズオンアースは不在ですが、スタニングローズ、ナミュールが出走します。春クラシックでも準主役級の活躍を見せたピンハイも出走します。例年に比べると、やや少ない。
④古馬のメンバー構成
④-1 4歳
ソダシ、ファインルージュ、サトノレイナス、ソングライン、ユーバーレーベン、アカイトリノムスメらが不在。クラシックで活躍した馬が不在であることが今年のポイント。力を付けていることは認めつつも、大将格がジェラルディーナではちょっと物足りない感があります。
④-2 5歳以上
デアリングタクトは説明不要。他の馬もG1級とは言えない面々ですが、古馬の重賞を持ち回りで勝っているように、骨っぽいメンバー。
【仮定】
天皇賞(秋)では、3歳牡馬が優勢と仮定しましたが、牝馬の場合はそこまで楽観的には評価できないかな?と考えています。
一方で、4歳馬、5歳馬が寂しいメンバーであることを考えると、若干3歳有利と考えます。但し、中距離路線の別定G2で牡馬を向こうに回して活躍したウインマリリン等の態勢が整っていれば、要警戒と考えます。
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●『エリザベス女王杯』番付
横綱
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大関
デアリングタクト
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関脇
アカイイト
イズジョーノキセキ
ウインマリリン
ジェラルディーナ
スタニングローズ
ナミュール
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小結
アンドヴァラナウト
ウインキートス
ウインマイティー
クリノプレミアム
テルツェット
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前頭以下
その他
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秘密兵器
ピンハイ
※番付の意味
1ランク差
→枠順、トラックバイアス、展開次第では逆転可能。
2ランク差
→枠順、トラックバイアス、展開に恵まれても逆転困難。
秘密兵器
→過去のレースから、番付上位と互角に渡り合える可能性を秘めた馬。
※番付は、過去のレースにおける最大出力を評価する指標であり、この序列の通り決着することを示すものではありません。
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以上を踏まえて、当日の枠順、馬場状態、オッズを確認して検討します。
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予想屋マスター事務局
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30代半ば/本業:士業/大学から本格的に競馬を始める。予想屋マスターを知り、理論的な競馬の分析に目覚める。リトル予想屋マスターを目指し、予想法を徹底的にコピーした。時間の制約があるため、芝オープンのみにフィールドを限定している。凱旋門賞の単勝万馬券、AJCCの288万円等の的中実績あり。「単勝多点」「変則フォーメーション」等多彩な馬券術に定評がある。「競馬の教科書」は個人出版ながら異例のベストセラー。「別冊」は予想屋マスターとの共著で再びベストセラー。日本一の競馬作家になるのが夢。Twitter(keiba_tamashima)