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こんばんは!玉嶋です。
早速ですが、今週末の『NHKマイルカップ』の見解について解説します。
『NHKマイルカップ』方針
今年のクラシック戦線は、全体的に低調です(特に牡馬)。皐月賞ですら、強いと言える馬が見当たらず、混沌としていました。そこに輪を掛けてNHKマイルカップ。皐月賞、桜花賞に出走できた馬がそれぞれ1頭ずつで、それ以外の馬は、ドルチェモアやダノンタッチダウンら一部例外を除いて、大半が皐月賞、桜花賞に間に合わなかった馬達です。
これが何を意味するか?
朝日杯FSの週のコラムでも同じ趣旨のコラムを書きましたが、当時から新たにメルマガ会員様が増えたので、改めてこの話をしたいと思います。
今回のメンバーの能力比較を全頭でやるためには、重賞だけではなく、それ以前の1勝クラス等の条件戦まで遡っていって、「こっちが上」「若干下」「このレースのメンバーは、その後頭打ち」を分析する必要があります。
時間を掛ければ無理ではありませんが、この1レースの予想をするためだけに、条件クラスを一生懸命予想するのは、果たして生産性の高い仕事と言えるでしょうか?
このメルマガコラムを読んでいる方々は、芝オープンクラス、延いては重賞限定というのがほとんどと推察しますので、その前提で以下を読んでください。
NHKマイルC 有力馬の能力比較
・ドルチェモア
・ダノンタッチダウン
ダノンタッチダウンは朝日杯FSまで3連勝だが、朝日杯上位組はその後低迷。レイベリングは、共同通信杯で惨敗だったため、能力を計りづらく、ダノンタッチダウンも皐月賞で惨敗だったため、計りづらい。これまでの経緯を見ると、朝日杯組のレベルは、例年に比べるとかなり怪しい。また、ダノンタッチダウンはデイリー杯2着も、負けた相手は、その後馬券圏外続きのオールパルフェ。これもまた、計りづらい。
・エエヤン
NZTの覇者。2着ウンブライルは、もみじS、阪神JF、クイーンCで対戦した馬の条件戦や未勝利戦、新馬戦までさらに深掘りしていく必要がある。3着シャンパンカラーについても、以下同文。
・カルロヴェローチェ
ファルコンS2着、白梅賞1着。これらのレースで好走した馬を分析するには、エエヤンのケースと同様に、条件戦や未勝利戦、新馬戦までさらに深掘りしていく必要がある。
・オオバンブルマイ
現時点で重賞2勝を挙げている。いずれのレースも、皐月賞への出走が叶わなかった馬、間に合わなかった馬のレースであり、メンバーレベルが怪しい。同様に、条件戦や未勝利戦、新馬戦までさらに深掘りしていく必要がある。
いかがでしょうか?このように、2歳戦や、レベルの低い重賞については、高い精度で能力比較をするために、対戦した相手の相対比較をしていく必要があります。ここで手を抜いたり、分かるまでしっかり分析しないで予想を完結してしまうと、予想の精度がどんどん下がります。能力比較だけでなく、テンのダッシュ力や道中でのストレス耐性等の特徴も、中途半端な分析では、優位性がまったくありません。「じゃあ、時間を掛けて、条件戦や未勝利戦まで全部見るか?」というハナシになりますが。。。NHKマイル1レースのためだけに、そこまではやってられません。
また、高い精度で能力比較をするためには、その馬が対戦した馬の過去を調べていく必要があります。例えば、カルロヴェローチェの場合は、ファルコンステークスで先着を許したタマモブラックタイの過去履歴を追う必要があり、白梅賞で先着したアルジーヌって、そもそも強いの?弱かっただけでは?まで検証する必要があります。要約すると、下級条件までどんどん手を拡げていくと、馬券で勝つためにやるべきことが等比数列(ネズミ算)的に増えていきます。
世代限定重賞とクラシック、古馬重賞
一方。。。
クラシックで世代の一線級が集う皐月賞やダービーの場合は、重賞、オープンクラスのレースを分析しておけば、一部例外を除いて用が足ります。そもそも、重賞ですら通用しない馬は、相手が強すぎて、馬券圏内に食い込むことは極めて困難です(必要に応じて、下級条件まで分析をする必要はあるが、NHKマイルカップほどは多くない)。
古馬の重賞戦線についても同様の論理で、下級条件は3勝クラスから上がってきたスパイダーゴールドのような馬をその都度追加で分析をしていけば用が足ります。よほどの例外を除いては、過去に重賞でそこそこ好走できなかった馬が、いきなり重賞で好走するケースは極めて稀です。
このように、世代の一線級が揃うクラシック戦線や、淘汰の網を潜り抜けてきた古馬の重賞戦線においては、下級条件の分析をしなければいけないシーンは極めて限定的です。いつも言っていますが、それだけでも、本気で分析しようと思えば、物凄く大変です。
NHKマイルカップはG1の看板があり、とても盛り上がるレースです。参戦すれば楽しいのは間違いないので、それを否定するつもりはありません。私の立場で、より効率的に競馬で稼ぐためにどうするか?の目線で今回のコラムを書きましたので、少しでもお役に立てれば幸いです。
ハンデ戦
まず大前提として、日本のハンデキャッパーは優秀で、多くの競馬ファンは「ハンデ戦は荒れる」と思っています。
その結果、当てるのが難しかった割には配当が付かなかった。。。という経験があるという方は多いのではないでしょうか?
「稼ぎたい」目線で言うならば、参戦できるハンデ戦は、意外と少ないです。混戦であることは念頭に置いた上で、予め番付を作っておいて、別定戦以上に強い割り切りを入れて、「オッズほど弱くないよね」の馬を狙い続けるのが、私の正攻法です。間違っても、週中に「狙いたい馬」を絞っておいて、オッズを見て「やっす」と思った馬を買うようなことは、私はやりません。理由は単純に「それじゃあ、勝てないよ」と分かっているからです。
まだ先ですが、夏競馬ではハンデ戦が目白押しです。毎年の出来事ですが、夏競馬が始まるまではそこそこの回収率だったのに、夏競馬でボロボロにされて、秋を迎える頃に終戦。そこから秋のG1戦線で、荒れる見込みの小さいレースで一発逆転を狙って、さらにボロボロにされるなんてことは、よくある話です。
せっかくメルマガを読んでくださっている皆様には、そうなって欲しくないと思っているので、今回のコラムを配信しました。少しでも、競馬予想のお役に立てれば幸いです。
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玉嶋亮
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30代半ば/本業:士業/大学から本格的に競馬を始める。予想屋マスターを知り、理論的な競馬の分析に目覚める。リトル予想屋マスターを目指し、予想法を徹底的にコピーした。時間の制約があるため、芝オープンのみにフィールドを限定している。凱旋門賞の単勝万馬券、AJCCの288万円等の的中実績あり。「単勝多点」「変則フォーメーション」等多彩な馬券術に定評がある。「競馬の教科書」は個人出版ながら異例のベストセラー。「別冊」は予想屋マスターとの共著で再びベストセラー。日本一の競馬作家になるのが夢。Twitter(keiba_tamashima)